Charmed by Dan
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メリッサ・アネリさんの
トリオインタビュー
(part1)
(2004年1月23日、The Leaky Caudron

アネリさんはニューヨーク在住の本職の新聞記者さんで、
The Leaky Caudron様のスタッフ(マネージングエディター)。
ハリー関連ニュースがあると、米でラジオ出演して解説なさったりも
する方で、今回はワーナーの招待でリーブスデンスタジオを見学、
トリオにインタビューもなさったようです。
インタビューは、2003年11月以前に行われたと思われます。
超長文で、会話も全部略さず書き起こしていらっしゃるため、訳はちょっとだけ
飛ばした個所があります。(全体で5センテンスぐらい)文中の(かっこ)は原注です。
<3作目ネタバレあり>
Thank you so much for your beautiful report!!
 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人・撮影所レポート
 パート1・子供たち


 リーブスデンスタジオを去る時、ハリー・ポッター出演の子供たちが、普通の生活を送っているという概念を忘れ去ってしまうのはたやすい。この「普通」という言葉は「普通」の意味ではないのだ。彼らは学校のかわりに家庭教師について勉強し、学校のダンスのかわりにプレミアに出席する。ファンレターだけをとっても、「だれも私を愛してくれない」という思春期の病をいやしてくれるには充分だ。
 
 しかしリーブスデンはロサンゼルスとは全く異なり、子供たち(そして大人も)はきら星のようなセレブリティの生活を送っているわけではない(つまり、大抵の時間は)。
 ゲートをくぐるとハリー・ポッターのジャンク置き場のようだった。左手にプリベット通り、右手に目がないヘビたちの頭の石。スタジオに着くころまでに、私は我を忘れそうになり、一緒だったクールな映画ジャーナリストたちの間でバカみたいに見えないようにと努めていた。それなのにバスを降りると、TLCとかかわりのある女性広報担当者が「来たのね!」と飛びながら叫び、私のポーズはぜんぶどこかに行ってしまい、私たちは大笑いしてスキップしたのだった。バッジをつけただれかがやってきて、中でリハーサル中なので静かにと言われてしまった。
 「中でリハーサル中、本当に?」壁のすぐ向こうに? 私の顔には大きなほほえみが浮かび、それは一日中消えることがなかった。
 
 スタジオで一番広い部分のひとつがハグリッドの小屋になっていて、そこは以前は秘密の部屋のセットだった。私たちが訪ねた日、そこではロンとハーマイオニーが、ハグリッドの主張により仲直りし、「アズカバンの囚人」の最後の急展開につながるシーンを撮影していた。丸い巨大な小屋が建てられ、スタッフと付き人たちが辺りを囲んでいた。背後には主役の代役たちが控えていた。

 小屋の外には小さなかごがつけられ、中でこうもりが数羽飛んでいた。また小柄なメキシコ人が一人、小さなモニターに見入っていた。シーンはとてもシンプルで短かった。ハグリッドがロンとハーマイオニーにハグするように言い、スキャバーズが見つかり、魔法省の役人が何人か小屋に向かい、心配したハグリッドが3人を建物から追い出す。午前中のリハーサルの後、テイクが始まり、何回か繰り返した後アルフォンソ・キュアロンが最終決定をするのだ。

 「ハグなしでやってみようかと思うんだ」監督が言う。「ロンとハーマイオニーの争いを描く時間が充分ないかもしれないからね」彼はほんの少し不満げに下唇を突き出して言う「この映画はセックスなしだから」。
 彼はこの言葉をジョークのように、また「思春期」や「ホルモン」に類する単語として使っているのだ。
 だからこんな事を監督がつぶやいても、セットでは紙をめくる音やシーンの繰り返し以外に何のリアクションもない。

 そんな静かで落ち着いた態度が、リーブスデンでは普通なのだ。ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンはそのシーンを、児童労働法が許可する範囲で繰り返し、そして彼らの付添人たちの手に戻っていった。休憩をだれかが大きな声で告げる。

 子供たちを撮影所で見ていると、彼らの普通さが見事によくわかった。この「名もない土地の真ん中」では、毎日何時間もハードで繰り返しの多い撮影が行われている。それはハリウッドの魅惑的な撮影所とは違い、飾られたガレージなのだ。そこで彼らはたくさん働き、「普通の」十代にとっての学校の廊下と同じくらい、主役の3人にとってはなじみ深い場所なのだった。

 私たちが見学を終わり、彼らが撮影を終えてから、十代の3人は私たちとしゃべる時間を持ってくれた。彼らは「アズカバンの囚人」や、キュアロン監督、学校、映画、音楽、本など、とてもたくさんのことを語ってくれた。

 ―TLC「真っ先にダンに聞きたいんですが、三巻で、ハリーは明らかにはじめて、とても怒っていて、本当に殺意を抱いたりしていますね。このことにどんな風に対処しましたか」
 ダニエル「ぼく自身は実際は、本当にだれかに殺意を持ったことがあるとは言えないです。でもだれでも、とても怒って、その感情にぶつかっていく瞬間というのはあると思う。ぼくはたくさん音楽を聴いたのが役立ちました」
 ルパート「怖い音楽ね」
 ダン「そう、怖い音楽」
 ―TLC「だれの?」
 ダン「たくさんの、いろんなギター音楽が好きなんだ。でもそれは、その人たちが実際にだれかを殺したいと思ってるひどい人たちだってことじゃないけど。あと今回はハリーは怒っているだけじゃなく、とても恐ろしい事柄に向き合わないといけないんだ。母親が殺される時の叫びを聞くし、そんなひどいことってなかなかないから、たくさん準備をしないといけなかったよ。ぼくのお父さんは北アイルランド(訳註1)で育って、それは北アイルランドはすごい紛争があった時だった。お父さんの向かいの通りに住んでいて、UDA(訳註2)に殺された人もいたって聞いたよ。お父さんはそのときまだ8歳で、その人の奥さんの叫び声が向かいの通りから聞こえてきたって言っていた。そのことについて、お父さんと本当に長い長い話をしたよ。ディメンターについてもとても助けてくれたんだ。その他はただ、いろんなシーンのためにいろんな音楽を聴いた感じです」

 ―ディメンターがこの映画でどんな感じか教えてもらえる? これから効果がつけくわえられるものに対して演じるのはどんな感じですか。
 ダン「どんな姿になるのか、ぼくたちにもわからないんだ」
 エマ「基本的なイメージだけ見たんだけど」
 ダン「すごくラフなストーリーボード(話の流れを書いたもの)などは見たけれど、ほかにはまだ見ていないよ。アルフォンソがその話を生き生きとしてくれたんだけど、きれいなものではないと思う。すごく恐ろしい感じになると思うよ。ぼくはハリー・ポッターの本の中でも一番怖いものだと思う」

 ―アルフォンソ・キュアロンと一緒に働くのはどうだった?
 エマ「特に私みたいに、ほかの作品で演じたことがない人間にとっては、違う監督と違うことをして、いろいろなテクニックやアイデアを知ることはすごくよかったです。それからすごく楽しかったし、素晴らしかったわ」

 ―違うアイデアとはどんなものか、例を教えてくれる?
 エマ「3作目のクリップはちょっとしか見ていないんだけど、比べてみるとスタイルが違うなって思うというか、アルフォンソはカメラの角度や撮影のしかたですごいことをしていると思うの。前よりすごく滑らかで、それで―みんな見たら違うなって思うと思うわ。特に監督らしさがたくさん入っているというか、絶対違いがわかると思う」

 ―彼はみんなのティーンエイジャーらしさを出しているって聞いてるんだけど
 ルパート「うん」
 エマ「ええ」
 ダン「ああそうだね」
 ルパート「違う感じなんだけど、でもクリスがいなくなるのはすごく寂しかった。でもそう、彼はすごくいいよ、すごく面白いし、僕たちはすごく仲良くやっているよ」
 ダン「ぼくが見たことがあるクリップは…」
 エマ「ダンはすごくプロっぽく、見ないのよね」
 ダン「プロっぽいかどうかと別に、自分を見るのは嫌いなんだ。(笑)まだ映像は何も見ていないから、正式なコメントっていうのは言えないんだけど、クリスはいつも撮影を素晴らしくエネルギッシュなアプローチでやっていて、それは最初の2作に完璧にマッチしていて、2作ともものすごくファンタスティックな映画にしたんだよね。3作目では、アルフォンソはもっとリラックスした感じで、感情のこもった、でも緊張感がある演出のしかたをしていると思う」
 エマ「彼は役柄に、もっと私たちらしさを出してほしいと思っているわ。こんな風に言われるんだけど、『君ならそれをどんな風にやる、どんな感じに? いや、ぼくはどんな風にやれとは言わないよ、君が考えて、経験してきたことの中から出てくるものじゃないといけないんだ』って」
 
 ―それはクリスとは大きく違うのかしら。
 ダン「そうでもないよ。クリスもそういう感じだった、2作とも。でもぼくは思うんだけど、これは本の映画化だから、映画がどんな風になるのかは監督が決めるんじゃなくて、どういう映画になるべきかっていうのは原作に書いてあるんじゃないかな」

 ―アルフォンソの、いままでの作品は何か見たことがある?
 ダン「あるよ」
 エマ「ええ、『リトル・プリンセス 小公女』を見たわ。すごく良かった、見て泣いたわ。私は良く泣くんだけど、でも本当に素晴らしかった。あの映画は大好きよ」
 ダン「ぼくは『リトル・プリンセス』も見たし、『天国の口、終りの楽園。』も見たよ。(緊張した感じの大きな笑い声)基本的にどんな監督と働くときでも、これまでどんなものをやってたのか知ることは大事だと思うんだ。ぼくは今、マイク・ニューウェルの映画を全部見ようとしているところ。何日か前に『フェイク』を見たよ」

 ―撮影していて、一番おもしろかったか、または難しかったシーンはどこでしょうか。
 ルパート「いいシーンはたくさんやっているよ。ぼくが好きなのは、自分が引っ張られていくところ。それはすごくよかった、犬がぼくを木のところに引っ張っていくんだ。ぼくは足に留め具をつけて地面を引っ張られたんだけど、すごくおもしろかった。結構難しかったんだけどね、草をいっぱい飲み込んじゃったよ」
 ダン「カメラにも気をつけないといけなかったしね」
 ルパート「そうそう」
 エマ「ルパートはかなり何回も、カメラにぶつかったのよ」
 ルパート「カメラのレンズを蹴飛ばして落としちゃったよ」
 ダン「でも大事なことがひとつ、カメラマンにはけがさせてないよね!」
 ダン「ぼくが一番おもしろかったのは、多分叫びの屋敷のかな、ほら、ゲイリー・オールドマンやアラン・リックマン、ティモシー・スポール、デビッド・シューリスがみんな一緒で、『オーマイゴッド、すごい!』って感じだった。最高の素晴らしい俳優たちに囲まれているんだから、それが多分一番おもしろかったことかな。一番難しかったのも、やっぱり同じシーンになるんだけど、だってそれは、ぼくはもちろんいつもずっと頑張らないといけなかったから。でも特に、ゲイリー・オールドマンやデビッド・シューリス、アラン・リックマン、ティモシー・スポールが一緒だと、本当に本当に頑張ることになるんだ。それから、自分の魂を吸われるシーンは全部、それよりもう少し難しいぐらいだったよ」
 エマ「私もダンと同じで、叫びの屋敷がすごく難しいと思った。すごく長くかかったのよ。あそこに確か―」
 ダン「えーと、1ヶ月?」
 エマ「もっとだったんじゃない? すごく複雑なシーンで、たくさんのことが起きていて、いろんなことが変わっていったから難しくて、それにかなり感情的なの。えーと、感情的というよりは…」
 ダン「エマは終わってぐったりだったんだよね」
 エマ「ええ、ほんとあれはぐったりするわよ」
 ダン「それに壁が本当に傾いていてキーキー鳴るから、お互いの話していることが聞こえなかったんだ」
 エマ「だから二倍みたいな大声にしないといけなかったのよ」
 
 ―TLC「去年、自分たちのキャラクターに何が起こるか予言してもらったんだけど、今年5巻を読んで、感想を教えてくれる?」
 ダン「ああ、ぼくは自分の予想をまだ信じているよ。うん」
 エマ「どんな予想だったの?」
 (訳註3・5巻の話のため、読みたい方のみ色を反転させてください。なおジョークも含まれるので、5巻がこの通りとは限りません)
 ダン「ああ、君たち二人が絶対、狂ったように愛し合ってるよ。ほら、お二人どうぞ!」
 (笑い。エマとルパートは赤くなって、やや困惑した感じに見えたため、だれかが違う質問をする)


 ―ボガートのシーンはもうやったの? どんな感じでしたか。
 エマ「まだやっていないんじゃない? どうだったかな」(訳註4)
 ダン「やったよ、蜘蛛だっただろ?」
 ルパート「ああそうだったな」
 ダン「でも実際は何もなかったんだよね」
 ルパート「蜘蛛の絵だけあったんだ」

 ―この映画の後半では、自分の服を着ることがすごく多いですね。そのためにリラックスできたということはありますか?
 ダン「最初の2作では、ストーリーはぼくたちが制服の時のことが圧倒的に多かったけど、今回は休日の話が多いんだよね。だから、ちょっとはリラックスできたなと思うよ」
 エマ「それはすごく思ったわ」
 ルパート「(不賛成と首を振って)ロンの服はすごくかゆいセーターなんだ」
 エマ「それっていいことと思うわ、制服だとみんなが同じように見えるけれど、私服はみんなの個性を表すことになるから」

 ―今回は新しいセットがたくさんありますね。映画になることについて、ファンと同じようにあなたたちもわくわくしますか?
 ダン「もちろんだよ!」
 エマ「ええ! 本当に」
 ダン「こんなことまで起きたんだけど、セットにたくさんの人が見学に来て、ぼくたちの所にも来るから、『何を見たの?』とぼくが聞いたら、『ああ、私たちは叫びの屋敷を見たよ』って言われたことがあったんだ。ぼくもまだ見ていないのに、名前を並べているんだよ!」

 ―新しいセットで気に入っているのはどれですか。
 ルパート「ここ(法廷)はすごくクールだと思うよ」
 ダン「それですごく大きな、振り子は見た? すごいんだよ。それである時の、カットになった映像ではぼくたちがみんなで揺れているんだ。でもここは本当にクールだよ、雪が積もった時のシーンとか、本当にびっくりだった」
 エマ「私なんていまでも、歩き回ると大口を開けてしまうわ。スタッフのしてる仕事は本当に驚きよ。ほかにもすごいことがあって、スコットランドで1ヶ月ぐらいロケをしたんだけど、その景色が息をのむようだったのよ。本当にすごいわ。高い山々に、新鮮な空気。本当によかったわ」

 ―スタジオを離れて、スコットランドでロケがあったけどどうでしたか。
 ダン「雨が降ってました」
 エマ「すごい過小評価な言葉と思うけど…」
 ダン「普通の雨じゃなくて、水平に降るんだよ。傘を役たたずにしてしまうんだ。ちょっとスタジオから離れるっていうのはいいことなんだけどね」

 ―あなたたちがいい友達というのは明らかですが、映画と映画の間で撮影していないときも、一緒に遊んだりしますか。
 ダン「ぼくと一緒に1年もいたら、そんなにぼくと一緒にいたいとは思わないと思うんだよね(エマが笑う)。笑うなよ!」
 エマ「ごめんごめん」
 ダン「ぼくたちは一緒にいる時間がすごく長いから、しまいにはお互いから離れて一休みしないといけなくなっちゃうんだ」

 ―前と同じスタッフが数多く今回も働いていますが、彼らとは友達ですか?
 ダン「うん、そうだよ。一つの大きな家族みたいなんだ」
 エマ「そう、大きなハリー・ポッターファミリーという感じね」

 ―エマ、あなたが着けているのは逆転時計?
 (エマは笑って赤面する)
 ダン「あれはちょっと偽物なんだ」
 ―それが偽物?
 エマ「いいですか、準備はできてる? (隠れていたネックレスを見せる)これは釣りの重りなの(笑)」
 ダン「本当はすごくいいのがあるよ」
 エマ「実際のは、本当に本当に素敵なのよ」
 ダン「細かい作りがすごいんだ」
 エマ「私が3回ぐらい壊しちゃったから、かわりに釣りの重りをつけることになったの」

 ―ルパート、私たちはあなたたち2人が撮影しているところをちょっと見たんだけど(ロンとハーマイオニーの仲直りシーン)、この映画でのあなたたち2人の関係をちょっと教えてくれませんか。そして、さっきのシーンが、映画のそれまでの流れを解決していることになるの?
 ルパート「今回はすごく口げんかするんだ」
 エマ「そう、いい感じよ」
 ルパート「エマの役は、猫を飼っているんだ」
 エマ「ネズミと猫の話なの。何度もトムとジェリーみたいになっているのよ」

 ―動物との共演について教えてくれる?
 ダン「こうもりがぼくの頭の上に止まったんだよ。(笑)すごくおかしかった。動物はすごく好き、特にトカゲ。トカゲはすごくクール! ねずみたちもすごいよ。ねずみで賭けもするんだ。どれが速いかとか、どれが最初に逃げるかとか」
 ルパート「ぼくは蜘蛛が嫌いなんだけど、ぼくたちがこうもりと一緒にいたとき、自分がこうもりが怖いなんて気づかなかったよ。(笑い。ルパートは、嫌そうな顔をする)ひどかった!」

 ―ねずみたちはどう?
 ルパート「すごい大きなネズミが一匹いるよ、本当に巨大なんだ」

 ―ほかには何の動物がいるの?
 3人「ねずみ、とかげ、こうもり、6本足の陸ガメ」

 ―それであなたたち2人(エマとルパート)は、このシーンでハグをすることになるのかな、私たちはそれを見るのか、どうでしょう。『秘密の部屋』の最後ではちょっと見たけど、今回はどうなるんですか、もっと何か起きますか?
 エマ「いいえ、(ハグは)カットされるかもしれないわ!」
 ダン「ぼくたちにはわからないけど、原作にはあるよね」
 エマ「そうだけど。でも私たちにはわからないわ」

 ―それはあなたたちが演技を拒否したってこと?
 (笑い)

 (原注・ネタバレ注意)
 TLC:「ストーリーボードに書いてあったのを見たんだけど、何か岩があって…?」
 エマ「それはね、ハーマイオニーが…複雑なんだけど…時間を逆戻りして、自分がハグリッドの小屋にいるのを見ていたとき、彼女は石を投げて、ハグリッドの小屋の中のハーマイオニーに警告しようとするの、それで中の彼女は気づくんだけど、ダンブルドアが…(困惑してくる)
 ダン「(エマが自分を追いつめているのをやめさせるように手で示して)エマ、…しなくても…」
 エマ「ともかく複雑な話なの」

 ―TLC:「いえ、わかりましたよ」

 ダン「ぼくたちが最初に、逆転時計よりも期待していたのは、ほら、監督も新しい人だし、何か新しい派生物があるかなと思って、逆転時計じゃなくて『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の車みたいなものがあったらなって思ってたんだ。ぼくたちそれを狙ってたんだけど。中にはフラックス・キャパシテイター(注5)とかがあって、ぼくはそういうやつがすごく欲しかったんだけどなぁ」

 ―あなたたちは映画の中での役柄がそうであるように、デビッド・シューリスに親しみを感じましたか?
 (3人ともから、熱狂的な賛成の声が上がる)
 ダン「ぼくは彼と一緒の時間がたくさんあったんだ、基本的にこの映画で感情のこもったシーンの中心はルーピンとハリーだったから。だから彼とは一緒にいる時間が長かったんだけど、実際彼と共演するのはすごくおもしろかったよ」

 ―それから、ヒッポグリフは実際作られたんですよね。どんな感じだった?
 エマ「私が人生で見た中で、一番美しいものだったわ」
 ダン「すごかったよ。えーと、もう言葉で説明しないよ。ここで…(立ち上がってレコーダーから離れ、何フィートか後ろに下がる)大声で話すよ。…このぐらい。(彼の頭より数インチ上の所を、バックビークの大きさと指で示す)かなり大きいんだ(注6)」

  ―クルックシャンクス役の猫とはどうだった?
 (男の子たちからすぐに、うめき声が上がる)
 エマ「ああ、私は自分の猫が大好きなんですけど、二人とも、私の猫に対してすごく失礼なのよ!」
 ルパート「最高に不細工な猫だよ」
 ダン「生まれた時に投げられて壁に当たったみたい」
 エマ「ええ、鼻は低いわよ」
 ダン「鼻がないよ! 2次元なんだ。漫画の猫みたいだよ!」
 エマ「不細工なりにかわいいと思うわ」
 ダン「不細工って所、聞こえた?」

<5巻話部分あり。途中色反転でお読みください>
 ―TLC「ダン、もしあなたが5作目にも出るとしたら、ハリーの不機嫌をどう演じると思いますか?」
 ダン「ぼくたちがこの映画でやったことは、本当に大胆だと思うんだけど、あなたが5巻で読んだようなハリーを、3作目でも描いていると思うんだ。ハリーは今回、信じられないくらい怒っているんだよ。たくさん10代の…」

 ―TLC「苦悩?」
 ダン「ありがとう。その言葉が一瞬出てこなかったよ、苦悩。それで、3作目での彼は信じられないくらい怒ったキャラクターなんだ。わからないけど、もしかしてたくさんの人がショックに思うかもね、わからないけど。5巻がちょっとだけ、その心の準備になったかもしれない。ともかく違ってるよ」

 ―ルパート、これで3作目だけど、どんなことを学んだと思う?
 ルパート「えーと、うーん。あんまりないな(大笑い)。基本的に、違うやりかたでやってるってことだと思う。前、学校に行っていた時とはかなり違うよ」

 ―そのやりかたに今では慣れた?
 ルパート「ああもちろんだよ」

 ―アルフォンソは、あなた方にどうやってこの映画への準備をさせたんですか。
 ダン「実はみんなで作文を書いたんだよ」(注7)
 エマ「そう、作文を書いたの」
 ダン「それでぼくとルパートは、エマの16ページの小論文に恥をかかされちゃったよ!(笑い)いやいや、素晴らしかったよ! 本当にすごかったんだけど…」
 ルパート「ぼく実は、自分の奴は結局提出しなかった気がする…」
 (さらに笑い)
 ダン「ぼくは紙4枚に書いて、すごく得意に思ったら、エマが3巻ものの小説を書いていたんだ! ちょっとぼくたちには恥だったね」
 
 ―何についての作文ですか?
 ダン「基本的に、最初の時点のぼくたちのキャラクターの状態について、3作目の最初でお互いが会うときのね」

 ―TLC「自分が書いたことを、何か覚えてる?」
 ダン「覚えてないな、コピーは持ってるけど…」
 
 ―そうやって書いたことが、役立ったと思いますか?
 ダン「もちろん。大きなシーンがあるときはいつも、それを台本の表紙のところにつけているから、撮影のたびに何回か読み直すようにしているんだ」

 エマ「いちおう記録のために言っておくけど、私は手書きの字が大きいのよ」
 (笑い)
 ダン「そしてぼくの字は信じられないくらい小さいんだよ! ぼくの作文はすごい長い本になっただろうと思うんだけど、やっぱりならなかったね」
 

(訳註1)北アイルランドは、領土的にはイギリス(英連合王国)の一部。
(同じ島の南半分は、「アイルランド共和国」という独立国)
よく言われるような宗教抗争ではなく、英王国にとどまりたい派(王室
主義者)と、アイルランドと合流したい派(共和主義者)の政治抗争が
長期にわたるテロにつながっているらしいです。最近は和平のきざしあり。
(訳註2)UDAはUlster Diffence Association(アルスター防衛同盟)の
略。王室派の過激派集団。
(訳註3)〜文中にあります。                        
(訳註4)エマと書いてありますが、ルパートの書き間違いの可能性が
あると思います(話の流れから)。
(訳註5)ご存じの方も多いと思いますが、映画「バック・トゥ・ザ・フュー
チャー」(1985年、ロバート・ゼメキス監督)もタイムトラベル物の
SFファンタジー。ダンの言っているような車がタイムマシーン。
撮影に使われたのはデロリアンというガルウィング型のスポーツ
カー。flux capacitator(またはcapacitor)は、直訳すると「融剤コンデンサー」
のような感じ(多分)。作中で時間旅行を可能にするバッテリー装置、のような
設定で、ビデオ字幕では「フラックス・キャパシティター」になっているそう
です。でもhirameは映画を見ていないので間違っていたらごめんなさい。汗
(注6)1フィート=約30cm 1インチ=2.54cm
(注7)essayを作文としてみましたが、小論文の意味もあります。

Original Text by Melissa Anelli of The Leaky Cauldron
excerpt translated to Japanese by hirame

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